わたしの中に愛はある。既に幸せ。

My hero が My darling になるまで

太陽が消えた日

太陽が、消えた

僕の太陽が、消えた

 

手元にいたはずなのに

そこにいたはずなのに

 

太陽が、消えた。

 

初めは、雲の後ろにいるのだと思っていた

そのうち出て来るんだろうと

タカをくくっていた

 

一ヶ月

二ヶ月

三ヶ月

 

気付かないまま、

僕は毎日を過ごした。

 

気付かないまま、

僕は小さなモヤモヤを積み重ねていった。

 

誰かに話しかけても

誰かに伝えても

誰かに訴えても

誰かに喧嘩越しでいっても

 

ちがう、これじゃ、ない。

 

言葉にならない不快感が、

小さく小さく、積もっていった。

 

その原因が、わからない。

 

仕事もうまくいっているはずだ。

1番の出世頭だ。

 

僕は、すべて、持っている。

僕は、すべてどうにでもできる。

 

それなのになぜか

 

この、心の乾きが埋まらない。

 

何かが、足りないんだ。

 

仕事や趣味に、もっともっと打ち込んだ。

打ち込めば打ち込むほど、

自分の世界に穴が開いていく。

 

なんだ、なんなんだ。

 

なにが、足りないんだ

なにで埋めればいいんだ

 

わからない

わからない!

 

気付けば、周りにその渇きを

穴を埋めてくれと

必死に、必死に

 

叫んでいた。

 

 

 

ふと、柔らかな感覚を感じた。

 

どこか懐かしくて

眩しくて

まっすぐに見ることができない

 

辺りが輝きを増して

一面が白の世界になって

 

そんな中から

溢れるものに、気付いた。

 

安心する気持ち

ひとりじゃない気持ち

そこにいてくれる

ただ、そこに。

 

それでも、僕は思い出せない

この光の中に入っていくことは

 

今迄の自分を

今迄の自分のプライドを

すべて、置いていかなければたどり着けない

 

それが、こんなに怖いことだとは。

それが、こんなにも痛いことだとは。

 

でも、そろそろわかっている。

 

この中に「ある」

 

僕が置いて来た

僕を溶かしてくれるものが

 

僕が置いて来た

弱い僕

泣いている僕

拗ねる僕

全部、それを受け取ってから

 

それでも、僕は。

 

もう、飛び出すって決めたんだ。

 

「彼女」は、待ってる。

 

悲しげに、

それでも僕のこころを信じて。

 

僕がきっと、迎えに来ると。

 

キミの光を感じなくなってから

僕は心がどんどん冷たくなった

 

君と出会う前のように

ただ毎日を過ごし

仕事に逃げ

向き合うことから逃げた

 

キミがいたから

毎日が楽しくて

 

キミがいたから

仕事がワクワクして

 

キミがいたから

自分と向き合おうと思えて

 

キミがいたから

初めてのこともやってのけた

 

キミがいたから

出来たことなのに。

 

いつから僕は

 

全て自分で出来る

全部持っている

 

そう、思ってしまったのだろうか

 

キミがどんな気持ちで

僕を見ていたのかなんて

これっぽっちも考えもせずに。

 

そんな気持ちでいたキミを

僕はキミがわがままだからと

言うことを聞かないからと

完全な僕の都合で

 

僕の余裕のなさで

 

彼女のこころを壊したんだ。

 

 

彼女は僕に会えなくなった。

僕に会った時に、

怒り、悲しみ、苦しみ、痛み、

そんなものを感じてしまうから、と。

 

当たり前の感情なのに

僕の前では、もうだいじょうぶと

そう、してあげたいから、と。

 

きっと、痛いほど泣いたのだろう

僕が向き合えない痛みに、彼女は何度も立ち向かって。

 

その度に泣きながら

それでも、それでも。

 

どんなに僕が振り向かなかったとしても

どんなに僕が傷付けたとしても

 

それでも、

「キミがしあわせならそれでいいよ」

 

そう、最後には笑って。

 

そんなキミを、迎えにいくよ。

 

中途半端でごめん。

弱さに向き合えなくてごめん。

曖昧でごめん。

傷付けてごめん。

 

何度も

こころを壊してしまって

 

それでも、キミに。

 

もうこれからは傷付けないと

もうこれからは泣かせないと

もうこれからは大事にすると

もうこれからは真っ直ぐ向き合うと

 

キミを、愛すると。

 

伝えさせてくれないか。

 

それをキミが受け取るかなんてわからない。

散々壊して来たんだ。

当たり前だ。

 

それでも、もし。

 

もしキミが僕を信じて

また、僕に笑ってくれるのならば

 

僕はキミを

もう悲しませないと誓うよ

 

だから、どうか。

僕に笑ってくれないか。

 

 

一粒の涙が溢れて

地面に、落ちた

 

辺りが輝き出して

光の中心が眩しくなった

 

 

 

すると、

 

その光のカーテンの中から

キミがそっと

現れた。

 

近寄って声をかけると

 

ふわっと目を覚まして

ふんわりとした笑顔で

 

「おかえり」

「信じてたよ」

 

そんな風に、笑った。

 

 

 

キミはどうしてそんなにも

天使のように笑うんだ

 

どうしてそんなにも

僕を優しく許すんだ

 

どうしてそんなにも

キミは、キミは!

 

「だって、わたしが愛した人だから」

「わたしはわたしの愛した人を信じる」

 

そんな風に真っ直ぐ伝える彼女を見て

 

僕は気付いたんだ。

 

僕の太陽が、ここにあった、と。

 

 

 

 

太陽が消えた日

僕は何も気付かなかった

 

当たり前の毎日を過ごし

緩慢だった自分に気付かず

 

自分の中途半端さを棚に上げ

請け負えない責任だと

相手に押し付けた

 

太陽があることは、

何を持ってしても大事な大事なことだと

 

そのことにやっと気付けた僕は

 

もう二度と、

彼女を凍らせないでおこうと誓った。